捻挫の治療の基本(足首)

1 治療の不具合


足首の捻挫は、日常よく遭遇するけがです。しかし、ほおって置くと靱帯が再生せず、緩んだ不安定な足首になってしまいます。不安定な足首は、関節軟骨がぶつかりあい、やがて変形性関節症になってしまうんです。捻挫だから湿布だけで大丈夫ではありません。実は手術する例もあるんです。

当院では、捻挫を重症の度合いで判別し、Ⅲ度に分けてより良い治療法を選択しています。この判別によって治療法を選択しないといけません。ちょっと解説を、、、。

足首の捻挫に多い、外くるぶし周辺の外傷からお話しします。外側には、靱帯と呼ばれるすじが3本あります。靱帯の損傷度で重症の度合いを判別します。経験から、関節のゆるみ、痛みの位置、腫れの出方でわかりますが、エコー検査やレントゲンのストレス撮影を使って、詳しく調べることもします。



  Ⅰ度 外側靱帯の一部が伸びたり、一部断裂しているもの

歩行は可能ですが、ちょっとした段差や足首のねじりでいたみがあります。

靭帯を整復し、オープンバスケットウィ―ブというテーピングを巻きます。その上から、純綿包帯で 約3週間固定します。

翌日より、電気治療など行い組織の修復を早めます。

安定してきたら、筋力トレーニングや固まった関節をやわらかくするリハビリテーションをします。 


  Ⅱ度 3本ある靱帯の1本が完全断裂しているもの

 

外くるぶしの下に強い腫れがあり、歩行はやや困難です。

ソフトキャストというやわらかいギプスで足首を固定します。

3~5週間で固定をはずします。 

順次、リハビリは行なっていきます。

  

  Ⅲ度 2つ以上の靱帯完全断裂と内側の部分断裂をしているもの

 

足首全体に強い腫れと皮下出血があり、関節がぐらぐらしています。

歩行、体重負荷は不可能です。

ギプスシーネで安静固定、最初は、松葉杖で始めは足をつかないようにし、徐々に荷重していきます。

5~6週間固定します。

  

  足首のリハビリテーション 
           

アスレチックリハビリテーション

腓骨筋 という筋肉をきたえ再度の負傷を防ぎます。

カーフレイズ

踵をあげ、筋力をつけて足首を安定させる。 

   RomExercise

   超音波気泡浴   お湯の中で、関節をやわらかくします。

  

意外と多いんですが、捻挫の後遺症(足関節不安定症)はどうしましょう?

上のリハビリテーション+超音波治療で靭帯再生を促します。時間はかかりますが、かなり良くなりますよ。ご安心ください。

2  幼少期の捻挫で適切な固定が出来ず、実は軟骨がはがれていた!

Os subfibulare(オスサブフィブラーレ)外傷後の外骨腫です。捻挫を繰り返す方に、よく見かけます。痛みや不安定が続けば、手術する場合もあります。初期の処置が大事ですね。

 

3 捻挫と思ったが違う損傷だった(足の痛みで解説します)

 足根洞症候群、腓骨筋腱脱臼、二分靭帯損傷、距骨軟骨損傷、腓骨下端骨折など