野球肘は、野球少年によく発生します。しかし、単なる成長痛ではなく、靱帯損傷や軟骨損傷を含んだりっぱなスポーツ障害です。早期に発見しないと関節が緩み、離断性骨軟骨炎(関節鼠)や、関節が変形し、手術が必要になったり、野球を断念するようになってしまうことがあります。早期に受診させてください。
  事例1  比較的軽度(内側の筋肉とその付着部の炎症)
 
  

腕の筋肉が肘の内側についています

個々の炎症を上腕骨内側上顆炎といいます
 
2週間くらいの消炎処置と安静で回復してきます
  
  


  事例2 中度(靱帯の断裂・靱帯付着部の軟骨がはがれる)
 

レントゲン写真です。

靱帯にひっぱられ内側の骨が剥がれています。

肘は外側に開いてしまい不安定です。

くっつくまで安静が必要で、投球を禁止します。

  
  
  
 
  事例3 重度(肘が緩み不安定・関節の軟骨が押し潰され剥がれてしまう)
 
緩んだ肘で投球を続けると、外側の軟骨同士が衝突し、このような状態となります。はがれた軟骨が遊離してしまいます。離断性骨軟骨炎といいます。手術が必要な場合があります。
  
  
  
事例1 の段階で投球フォームを見直し、治療をしておけば、事例2.3の重症例に陥らなくて済みます。ぜひ、野球少年が肘の痛みを訴えたら、すぐに来院してください。エコーで検査します。
投球フォームも、ちょっとしたアイディアで変わります。野球少年の夢をかなえてあげたいと思います。