四十肩・五十肩

 



何気なく腕を振り上げたり、電車でつり革をつかんだりしたとき、肩が痛くなることがあります。いわゆる四十肩とか五十肩とか言われていますが、実際は、腱板という肩のすじが、骨や靭帯にひっかかり部分的あるいは広範囲に傷ついています。当院では、このような場合、超音波という電気をかけ、傷ついた組織の修復をさせながら、腕を振り上げない方法で、筋力トレーニング(インナーマッスルトレーニング)を行い、肩がスムーズに動かせるようリハビリをします。この部分は、腕を上げるのに重要な役割をはたします。機能を改善させず、腕を振り上げる動作を繰り返すと、完全に断裂してしまう場合もあります。時間は少々かかりますが、頑張りましょう。

炎症が強く、この部分に石灰が沈着する場合(急性石灰沈着症)があります。痛みが強く、夜も眠れないことがあります。あわてないでください。当院では、まず炎症を抑えるためアイシングや冷湿布したあと、三角巾で腕をつり、安静を保ちます。痛みが引かなければ、医療機関を紹介させて頂き、関節に注射してもらいます。その後同じように、リハビリしていきます。大丈夫です。治ります。

  野球肩(slap損傷、二頭筋腱炎)

(slap損傷)

野球の投球動作で、同じように肩を痛めてしまう例です。上のように腱板を痛める場合もあるのですが、力が強く加わるため、関節の軟骨や、腱の付着部を痛める場合があります。(SLAP損傷といいます)無理して投球を続け、悪化させますと、完全に断裂し、手術が必要になります。なるべく早い段階で受診してください。投球フォームを見直しましょう。

上腕二頭筋は二つの頭を持ち、長いほうの腱は上腕骨の溝をとおり、関節の軟骨にくっついています。投球などでこの腱がひっぱられ、溝の中で炎症を起こしたりします。腱鞘炎と同じような症状です。安静を保つためテーピングなどをします。

    肩関節脱臼

 転んで手を伸ばし、ついたりすると、肩を脱臼してしまうことがあります。

当院では、無痛でこの脱臼を整復することができます。今までの整復法・固定法ですと、図2に示すような状態をさらに悪化させ、習慣性脱臼(すぐに外れてしまう脱臼)を引き起こします。

初回の脱臼で、「どのような治療をするか」で、今後の肩が外れやすいかどうかが決まってきます。ぜひ、肩を脱臼をしたら、当院を受診してください。習慣性脱臼を防ぎましょう。

 

   肩甲上神経麻痺
 肩甲骨の上のほうに溝があって、ここを肩甲上神経という神経が通っています。筋肉の腫れやじん帯の摩擦によって、この神経が絞扼され、しびれや痛み、腕が挙げずらいなどの症状を発症します。テーピングをしたり、ストレッチをうまくすることで、絞扼が軽くなってきます。一度ご相談ください。
    鎖骨骨折
 自転車などで転倒し、肩を強く打った場合、鎖骨を骨折してしまうことがあります。
さまざまな転位、折れ方がありますが、当院では、徒手で整復をし、ギプス、包帯、副子を使って固定し、すべての症例で、良好な成績を収めています。手術を希望されない方、ご相談ください。 
  
当院施行例、整復後、固定をしました。